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河合つくし通信

取りまとめのないブログです…。一応細く長く続けていく予定。

ネトウヨ考察。

前回、前々回のおさらいから

前々回は、保守には「体制型保守」と「反体制型保守」がいるのだと書きました。

 

体制型保守とは『何か具体的な利益、地域、産業、そしてそこに連なる人々(労働者と家族)という存在』を守ろうとする人々です。主に自民党の支持者、党員の多くがこのタイプでした。

 

これに対して「反体制派保守」という一団がいました。これは上記の「体制型保守」と比べると明らかに数が少ない集団です。彼らは具体的な何かを守るよりも日本のあるべき姿を古代の理想国家に見て、それを成し遂げようとした人々です。彼らの多くは体制型保守とは違い、守るべきものがない(貧困層、アウトロー層)が多かったのが特徴といえます。主に「右翼団体」及びそのシンパが「反体制派保守」であると私は考えています。

 

そして前回は自民党内の「体制派保守」の存在が衰え、代わりに「改革派保守」という存在が躍り出てきたということを書きました。

 

「改革派保守」は、政府の財政赤字を減らすために行政機関の不採算部門の切り離し(民営化)を進める改革を行いました。民間の需要の活用!が彼らの合言葉で、とりあえず大企業をもうけさせるためには、その障壁となっていた「労働者の保護制度」「関税の撤廃」「小規模店の保護を縮小、及び大型店の進出の促進」を行いました。これらが行われた2000年代の日本では数字上は好景気が続きましたが(いざなぎ越え)…その利益は大企業ばかりに回り、庶民にはほぼ回ってきませんでした。

 

儲かったのは大企業の一部の正社員、株主、そして企業献金を受けた政治家くらいのもので、中小企業の社員や非正規雇用者、年金暮らしのお年寄りなどはむしろ、大企業の攻勢に負けて廃業や縮小、賃金の減少などマイナス面が目立ちました。そして中小企業の産業や商店に支えられた地方都市の経済も大幅に悪化。日本中の町はシャッター商店街となり、山間部の村は廃村を余儀なくされた例もあります。

 

また、今まで赤字でも利用者がいる限り運営されていた交通機関や郵便といった公共サービスは、不採算部門は容赦なく削られ、そうなった地域は一層不便になり人口減少を招きました。事実上の地方切り捨てといえるでしょう。

 

そして…かつての日本人は「自分の住む地域」「企業」「労働組合」「商店街や農村の村社会のネットワーク」など横のつながりを豊富に持っていましたが…上記のことが立て続けに起きたため、そのつながりは各地で分断されてしまいました。その結果が、行き過ぎた個人主義、無縁社会化、責任を集団ではなく個人が持つ「自己責任論」の正当化を招きました。

 

行き場をなくした個人は生きるために、今残る集団に入ろうとしましたが…その場所の多くは、行き場を失った人たちの足元を見るブラック企業であったり、カルト宗教であったりとしました。雇用の悪化とカルトの蔓延り、そしていよいよ居場所をなくした人々の中には自殺をしたり(約3万人)、生活保護を受給せざる負えなくなったり(200万人)、引きこもったり(約100万人)するものが出てきました。いずれも過去最悪な数字です。少子高齢化の進行もいよいよ歯止めが利かなくなり、人々は不安に追い込まれています。

 

一方、改革派保守の連中は、不満を外に向けるべく「歴史認識の見直し」「教科書の改訂」「自衛隊の強化」「改憲」を行いました。このこと自体は悪くないことなのかもしれませんが、事実上の支配国であるアメリカに配慮した形となったので、自虐史観を抜け出すどころか、より一層の媚米姿勢、そしてアジア同胞との無用な対立を招きました。

 

また、行き場を失った方の中には…

本来ならば「個人」→「家族」→「企業・学校」→「社会」→「国家」という入れ子構造の世界にいるはずなのにもかかわらず、「個人」→「国家」というつながりに固執して「唯一のアイデンティティ及び居場所が日本国だ!」的な発想をする方がでています。これがいわゆる「ネット右翼」と一般に呼ばれる方々です。

 

 

彼らは改革派保守の対外強硬(米国にはだんまりですが…)路線を盲目的に支持し、改革派保守もネトウヨをいわば取り換えの効く遊撃部隊として、保守左派や左派をネットやデモを通して攻撃要因として使っています。それが今の保守の現状といえるでしょう。

 

本題に入ります…。

ネトウヨ」とは何か…?

ネトウヨは正式な用語ではなく、あくまでインターネットのスラングでしかありません。故に正確な意味はないです。

一応、近年になってやっと、社会学の研究者やジャーナリスト、評論家が彼らをさまざまな角度から論じ始めましたが、いまだ正確な定義はできていません(その一部は下記で紹介する)。ので…ここは私がかってに「こいつはネトウヨだろう!」という例を決めて、彼らへの私なりの考え方を述べさせていただきます。

 

 

私がネトウヨ認定する基準は以下のものです。

「自称愛国」「嫌韓」「大東亜戦争に肯定的」「対外強硬派(九条改正等)「ソースがまとめサイト」「ヘイトスピーチを行う」あとこれは…微妙なのですが「自民党支持(J-NSC会員)の方々をネトウヨとみなします。また、このような主張をして、集会やデモという現実的な行動をとるもの(「在特会」などの行動する保守)をお外に出てきたネトウヨと形容します。

 

一応…

http://matome.naver.jp/odai/2136584855731651001 NAVER「J-NSC会員のツイッタープロフィールが勇ましくてカッコイイのでまとめてみた」みたいのが、私の思っているネトウヨだと思ってください。

 

 

ネトウヨは保守といえるか…?

さて、ネトウヨさんたちは何を「保ち」「守っている」のでしょうか?

私が考えるに…彼らは単に「自分たちは日本の尊厳を守っているのだ」と主張しているだけのように見えます。しかし個別具体的に見ると…抽象的ではない現実的な主張をも行っている事が分ります。

 

では、彼らはもっと具体的な何かを守ろうとしているのでしょうか…?

 

彼らのデモ動画を見るに…

 

①    不法外国人を追放することで「治安が守られる」という運動

②    本来日本人に払われるべき生活保護が「在日朝鮮人」をはじめとした外国人に払われるのはおかしい。「日本人を守る」ために外国人に給付される生活保護や留学生への特別待遇なくそう。

③    中国、韓国との日本への侵略(領土問題、中韓の国籍を持った人間が大挙押し寄せたため、日本の雇用がなくなる。故に日本の「領土」と「雇用」を「守るため」の行動

というのがあったと思います。

で…これ自体は別に筋は通っていると思う。

 

①    に関していうと…

警視庁が2013年03月に発表した「来日外国人犯罪の検挙状況(平成24年)」を参照すると「来日外国人の刑法犯検挙状況の5年間平均推移」の「来日外国人検挙犯人数」を見る。S64~H4は3,952人だが、直近のH20~24は6,472人と増えているのが明らかだからだ。ただし…H15~19の8,361人という数字から見ると近年は減少傾向にあるともいえる。

ちなみに日本全体の犯罪における外国人の構成比はS63~H4は1.2パーセントであったが、近年は2パーセント前後で推移している。ちなみにソースもとは↓だ。

(http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/kokusaisousa/kokusai/H24_rainichi.pdf)

 

②    に関していうと…

生活保護法第二条に「すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。」とはっきり記載してある。確かに外国人給付するという文言は見当たらない。

ただし…行政は「予防措置」として外国人に生活保護を給付している。

日本の国籍を有しない被保護世帯数は32,156世帯で、この被保護世帯総数の約2.8%を占めるという。これが多いか少ないかというのは、個々人の価値判断の問題なのでしょうが…ネトウヨさんは多いと主張していますね。

 

なお一応…

欧米諸国には、外国人の生活保護を認める制度があるそうです。それは国会図書館のホームページにアップされている堤健造氏(厚生労働省の役人)のレポートをご覧ください

(http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/document/2008/20080110.pdf)

 

たとえば…

フランスの場合は「社会保障制度においては、原則として、フランス人と外国人の適法滞在者を区別しない。一方で、不法滞在者は、通常、社会保障制度の対象とはならない」ということらしいです。

 

留学生の問題については、みどりの風谷岡代表の参議院での発言をご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=hAAO49goXPU

 

私の意見としては…

生活保護の問題に関しては海外(欧米中心でアジア諸国は認めていないケースが多いけれども)は、少なくとも先進国は外国人への給付を認めているので、これが国際スタンダードとして認めるべきだと思う。ただ谷岡代表の答弁を見るに留学生への給付は縮小すべきだと思う。

 

3に関しては…労働問題に関しては時間がないので今は触れません。今度改めて書こうと思う。なお、領土問題に関しては、私は竹島尖閣も日本の領土だと思っています。特に近年、韓国が「独島」(韓国側の竹島の呼び名)なる新鋭のミニ空母を作ったり、尖閣諸島の周辺に中国政府の船が出没しているのは、これはまぁ…あちら側の挑発だと思うしこれに抗議するのは正当だと思う。

 

ただ小さな領土問題にそこまでこだわらず、棚上げでもしない限り、両国のナショナリズムは燃え上がり、貿易が停滞しかねたいと思う。実益をとるためにはそれはよくない。故にどちらの国も挑発しないほうがいいと思う。日本のネトウヨも向こうのネトウヨもね。

 

まぁ一応、ネトウヨも何か具体的な物を守ろうとしている人達であるという事が分りました。

 

彼らは抽象的には「日本の誇り」を…具体的には「日本の治安」「外国人への社会保障費支払いの不満」「国境の領土」等を守ろうとしています。

 

ただし、いまいち生活に結びついたものを守ろうとしているのかなぁ…と疑問になるのも事実です。

 

例えば、商店街の再生、農村の再生、そこで行われていた伝統行事の再生、産業について、そしてネトウヨ達の相互の助け合い等はほぼ語られてはいません。

 

治安や領土問題、歴史認識というわかりやすく、「誰かを非難しやすい(敵を作れる)問題」に関しては、わりあい饒舌なのですが…雇用や街づくり、産業育成、自分たちの同胞への個別具体的な対策への言及、行動は鈍いと言わざる負えません。

 

また、行動もネットで愚痴ったり、現実でもデモ及び関係機関への抗議を行うくらいで、個別の相談事業や提言活動を行った事はないですよね。

 

こういうのを見て思った事を纏めると…

ネトウヨは「体制型保守」であるとは思えるのです。しかし具体的かつ地道な事物に関しては口をつぐみ、敵の作りやすい「治安、領土問題、歴史認識」等の問題にだけは妙に饒舌です。というか、それだけしか言っていません。つまり敵の見えやすい事物しか批判できない「未熟な体制派保守」と言ったところでしょうかね。

 

 

ネトウヨは「反体制的保守」でしょうか?

これに関しては、違うと思います。そもそも彼らは自民党支持者が多いです。自民党は現在政権与党です。こういうのを見ると明らかに反体制的ではないと思います。

 

 

ただし「反既存のマスコミ」という面はあると思います。それがフジデモであったり、「マスゴミ」という言葉に象徴される事だと思う。彼らはマスコミは中韓寄りの報道ばかり行うと批判しています。そして中韓寄りの民主党を擁護するが自民党には、過度な批判と偏向報道ばかり行う的な事を度々口にしています。

その実は兎も角…「反マスコミ」そしてそこのスポンサーを批判(ロートの件)する事はあると思う。ただそれはあくまで自民党に批判的だから…という微妙な立場です。反体制派というか「自分の好む体制(自民党政権)に楯突いた大組織(マスコミ)とは戦いますよ」ってとこでしょうか。

 

また…在特会の桜井は2013年に入って「日弁連」に人権救済の申し込みを行っています。彼らは弁護士は皆左翼だ、似非人権派だ!と騒ぐくせに何か有ると、日弁連の権威にすがるのです。こういうのを見ると…彼らには反体制派でいる覚悟がないんだなぁと思わずには居られません。