河合つくし通信

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本の感想⑤トウヤのホムラ

 

トウヤのホムラ (富士見ファンタジア文庫)

トウヤのホムラ (富士見ファンタジア文庫)

 

 

【題名】トウヤのホムラ
【発表】2005年
【作者】小泉八束
【イラスト】 海苔 
【長さ】中編小説。1巻
【ジャンル】ラノベ、異能力戦闘もの
【評価】☆☆☆(☆3つ)
【その他】第16回ファンタジア長編小説大賞準入選

【あらすじ】主人公船津東哉は、なんと神である。とある地方都市の呪術師の一族に生まれたトウヤには、その恐ろしさから6歳のころから封印されて山の中の社に閉じ込められていた。そんな彼が16歳となったある日、彼のもとに一族の使いとして少女がやってくる。少女麻里は条件付きでトウヤを解き放つというのだ。トウヤは今まで自らを封じ込めていた一族への復讐を近いながらその条件をのむ…
【感想・解説】

トウヤが神!というところがまず凄い。神と言っても涼宮ハルヒのような存在ではなく、どちらかと言うと、日本神話に出てくる荒ぶる神の類か。

船津一族は水の神を祭る一族である。しかしトウヤは船津一族の先祖が滅ぼしたはずの、火の神の生まれ変わり。そのトウヤがなぜ封印を外されたかと言うと、来る時船津一族でも対処できないような神が現れるのが予測されていてそれをトウヤに食い止めてもらうため。

トウヤは一族に振り回される不憫な存在である。ただ、性格は暗いわけでも邪神化しているわけでもなく、人間不信で斜に構えるような性格か。

この小説の何が楽しいかって、トウヤは強い神だと言ってもまだ自身の力を制御できてないからなまじ逆らうことも出来ない。だから、自身を操る船津一族を憎悪している。この小説のヒロイン麻里は一見冷たく、事務的にトウヤに接しているように見えるが実はトウヤに惚れている。しかしトウヤは船津全体が憎いからなかなか気付かない。

船津一族の中でもやがて、勢力争いが始まりトウヤも巻き込まれる。それを助けようとする麻里。

なんというか、トウヤと麻里のつかず離れずの関係、トウヤの憎しみ、ドロドロの人間関係などそういう描写が冴えていて飽きない作品だと思う。

文章も味があっていいし、スト-リーもメリハリが付いていてよいと思う。お薦めの作品ですね。